工場・倉庫で求められる従業員への安全配慮
2020.02.03
労働者を雇用している使用者、つまり企業は、従業員に対する安全配慮義務を負っています。
そのため、工場や倉庫における安全配慮とはどのようなものなのか、また、どのような行為が違反ケースになるのかを知っておくことは重要です。
【工場・倉庫での安全配慮義務とは?】
安全配慮義務とは、労働者が生命・身体の安全を確保しながら働くために必要な配慮を提供する義務のことです。
この配慮が欠けていたために起こった怪我や病気・死亡事故といった労災事案も少なくありません。
具体的には以下のような配慮が義務付けられています。
・定期健康診断で従業員の健康状態を把握する
・工場や倉庫の施設、設備を正常な状態に保つ
・適切な人員を配置する
このほか、労働量や職場の人間関係など、環境面への配慮も必要です。
【工場・倉庫で注意すべき安全配慮義務の違反ケース】
以下のような場合には、工場・倉庫において安全配慮義務を怠っていると見なされるおそれがあるため、注意が必要です。
一般的な違反ケースをご紹介します。
<長時間労働>
長時間労働は過労死・過労自殺の原因となることもあるため、安全配慮義務違反と見なされやすいポイントです。
現在、月100時間以上もしくは月平均80時間以上の残業は、過労死ラインとされています。
特別条項を設けていても、月100時間(年間720時間)以上の残業は、働き方改革関連法によって違法となりました。
とはいえ、あくまでもこれは概要ラインなので、業務量や業務内容によっても判断が左右されます。
残業が80時間未満であっても、過失を問われるケースがあるということです。
長時間残業者がいる場合には、産業医面談を適宜実施しましょう。
<従業員間のパワハラ問題>
従業員の間で生じたパワハラ問題では、使用者側が主導していなくても、責任を問われるケースがあります。
そのため、パワハラ問題が発生しないよう、事前策を講じたり、従業員のメンタルヘルスケアを行ったりして、安全配慮をしなければなりません。
ハラスメントや差別の定義について社員教育を行い、職場全体で認識を共有することが重要です。
<安全装置の不具合>
現場作業の多い工場・倉庫では、設備の安全装置がきちんと作動しているかを確認しましょう。
機械・設備のメンテナンスや更新はもちろんのこと、従業員に対するマニュアルの周知徹底も欠かせません。
特に、古い施設・設備を使用している工場や倉庫では、労災リスクが高まります。
安全衛生委員会を設置するなどし、労働者と連携して重大事故防止に取り組むことが必要です。
【まとめ】
安全配慮義務は、工場や倉庫だけでなく、あらゆる企業に求められています。
従業員の健康を損なう可能性を予測し、あらかじめ対策を講じることで、事業者としての責任を果たしてゆきましょう。
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