台風や大雨だけじゃない!降雪がもたらす工場などの建物への影響とは
2020.12.01
昨今、異常気象によって引き起こされる台風や大雨による洪水、土砂災害など、さまざまな災害で建物ごと被害に遭う地域が増えています。
これからの季節、大雨同様に気を付けたいのが降雪による建物被害です。
パラパラと宙を舞う粉雪からはなかなか想像できませんが、牡丹雪が長時間降り続くと積雪量も増え、雪の重みで建物に被害が及ぶ可能性も。
そこで今回は、降雪がもたらす建物への影響と対策について解説します。
【工場や一般住宅でも起こる!降雪が建物に及ぼす影響】
- 積雪の重みによる屋根の崩落
豪雪地帯の一般住宅でも起こる積雪の被害が、屋根の崩落です。
工場や倉庫などの大型施設の多くは、柱や梁の強度がある鉄骨造ですが、降り積もった雪の重さに耐えられず、屋根だけがたわみ、限界を超えると屋根が崩落する可能性があります。
過去には、鉄骨造の体育館の屋根が雪の重みで崩落したという事例もあります。
工場や倉庫であっても、積雪による屋根の崩落は起こりうるのです。
- 積雪によって入口などの開口部が封鎖されてしまう
雪が降り積もるのは、屋根の上だけではありません。
よくテレビなどで、人の背丈以上まで雪が降り積もっている光景を目にしますよね。
長い時間降雪が続いた場合、積雪によって入口などの開口部が塞がれてしまう可能性があります。
- すが漏れが起こる可能性も
「すが漏れ」とは、屋根に積もった雪が凍結することにより、本来排出されるはずの水がせき止められ、屋根材の隙間から室内へ漏れ出してしまう現象です。
屋根に積もった雪が、日光や室内の熱によって溶かされることで凍結が起こります。
すが漏れは、屋根の傾斜が緩やかな建物ほど起きやすいため、工場や倉庫のような建物は特に注意が必要です。
【万が一に備えよう!工場や倉庫が取るべき降雪対策とは】
- 落雪屋根にする
落石屋根とは、豪雪地帯の建物によく見られる斜度のきつい屋根のことです。
一般の屋根よりも斜度をつけることで、雪が屋根から落ちやすくなり、屋根に大量の雪が降り積もるのを防いでくれます。
一般住宅であれば、人力で屋根の雪下ろしをする方もいらっしゃいますが、危険が伴ううえ、工場や倉庫などの大型施設の場合、屋根の面積も広く、人力での雪かきは得策ではありません。
降雪による被害を最小限に抑えるためにも、大量の積雪が予想される地域に工場がある場合は、落雪屋根にすることをおすすめします。
- 排熱を有効利用する
近年、工場による排熱を有効利用した融雪対策を行う地域も増えています。
今後は、工場などの大型施設においても、排熱を用いた対策が進む見込みです。
【まとめ】
強度の高い工場や倉庫であっても、降雪被害を受けないための対策は必要です。
地域に合わせた対策を取り、万が一に備えましょう。