工事におけるABC区分それぞれの違いについて
2021.04.06
オフィスの移転工事や内装工事にあたっては、ABC区分という言葉が使用されます。
ABCとは簡単に言うと工事の区分ですが、不動産関係者や工事を経験した方でないと聞きなじみがないでしょう。
この記事ではABCそれぞれの区分について、違いをご説明します。
工事におけるABC区分それぞれの違いとは
A工事とはビルの本体に関するもので、管理者によって発注され費用も管理者が支払います。
施工にあたる業者も管理者が指定し、所有権も管理者のもとにあります。
A工事となる例はエレベーターや階段、共用の廊下、共用トイレ、外壁や屋上の補修などです。
発注から費用の支払いまで、すべて管理者がおこなうので借主は無関係です。
B工事とは建物全体に関わる部分について、借主側の要望によって管理者が実施するものです。
費用を支払うのは入居者ですが、原則として所有権は管理者側にあります。
たとえば分電盤や給排水設備、防災設備などです。
A工事で施工した部分の追加や変更も含まれます。
C工事とは借主側が発注しておこなう施工です。
この場合は費用を支払うのも借主です。
C工事の例は、店舗の内装や什器・照明器具の施工などです。
工事におけるABC区分それぞれの違いについて~注意点~
A工事であれば管理者が発注して費用を支払い、C工事では入居者が発注して費用を支払うので、発注者の思い通りに施工ができますが、B工事では発注者と費用負担者が異なるのでコスト管理が難しいのが注意点です。
ABC区分のなかでもっともトラブルに発展しやすいのが、B工事です。
トラブルを避けるために、まず契約前に対象範囲を確認しておくのが重要です。
どの区分に当てはまるのかによって、費用の負担が異なります。
B工事は発注するのが管理者で費用負担者が借主なので、発注者は費用を安くする交渉をおこなう必要がありません。
検討している工事がB工事に当てはまる場合は、借主が負担する費用がかさむ可能性が高いので注意しましょう。
B工事の見積もりを事前にとり、内容が適正かどうかチェックすることも大切です。
費用を抑えたいのであれば、区分を変えてもらえないか管理者へ頼んでみるのも手です。
またはC工事を発注する業者へ見積もりを出してもらい、それをもとにB工事を発注する業者と交渉すれば費用を抑えられるケースがあります。
ABC区分を把握しておけば、予想外に高額な支払いをするリスクもなくなります。
B工事に関しては会計処理の取り扱いが特殊な点も注意が必要です。
勘定科目は建物もしくはほかの固定資産勘定で処理し、償却資産として扱わなければなりません。
まとめ
以上、工事におけるABC区分の違いについてご説明しました。
それぞれで対象範囲や発注者、負担者が異なり、物件によっても内容が変わります。
物件の工事を検討している方はぜひ参考にしてください。
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