賃貸の工場を退去時の原状回復とトラブルになる事例について
2021.09.07
賃貸物件を退去する際には一般物件だけでなく工場でも原状回復をしないといけません。
ここでは賃貸の工場の契約を検討している方に、退去する際の原状回復とトラブルになる事例についてご説明します。
貸工場の退去する際の原状回復とは
原状回復とは借主の負担で入居時と同じ状態に戻すことです。
アパートなどの物件の場合は、ハウスクリーニング業者に委託することで直しやすいですが、貸工場の場合は簡単に直すことは難しいといえます。
まず工場を稼働させるには、さまざまな設備を導入することが多く大規模な改修をおこないます。
そうなると入居時とは全く違う環境になっており、原状回復するには多額の改修費用が必要となります。
このようなことから住宅とは違い、大規模な工事を必要とすることがあり、解約予告期間が3か月~6か月となっています。
必ず新品にする必要はない
原状回復はあくまで入居時と同じ状態に戻すことです。
そのため元々あった設備を、わざわざ新品にする必要はありません
これは経年劣化による損耗などは、もともと賃料に含まれている場合があるからです。
また設備だけでなく、床面などの経年劣化による汚れやひび割れも修繕する必要はありません。
入居する際には、貸工場がどのような状態であるかをオーナーと一緒に確認するのが大事です。
原状回復で良くあるトラブルの事例
次に原状回復の際に起こるトラブルについてご説明します。
造作の買取
入居時と同じ状態に戻すため、造作についても借主が撤去する必要があります。
しかし貸工場の所有者が造作について承諾をした際には、借主が所有者に対して造作の買取を求めることが出来ます(造作買取請求権)。
その為、撤去費用を抑えたいからと借主がこの権利を主張してトラブルになることが多々あります。
示談で解決出来ず、裁判になれば『貸工場が造作によって価値が上昇』と判決さが下り、オーナーが造作物などを買取するのが一般的です。
承諾しているとはいえ、ほとんどのオーナーは入居時と同じ状態にしてほしいと思っています。
このような問題を回避するためには、契約書で造作の買取請求について明確にしておくことが大事です。
残置物
エアコンなどをオーナーに承諾してもらい設置したりしますが、撤去せずそのまま残して退去する場合があります。
そして引き続き次の借主が継続使用していきますが、故障した際はオーナー側が負担しないといけません。
しかしオーナーとしたら自ら設置したものでないので、設置した借主や使用している借主に負担してもらいたいのが本音です。
したがって残置物に関しては『継続使用しても良いが、故障に関してはすべて次の借主の責任』と約束してから退去するのが望ましいです。
まとめ
賃貸の工場の原状回復とトラブルについてお伝えしました。
一般の物件とは違い原状回復は難しい点が多々あります。
しかし入居時にオーナーと貸工場の状況を確認しながら写真を残し、細かな契約書を作成することでトラブルを回避することが出来ます。
契約する際には、入居だけでなく退去のことも考えながらおこなうようにしましょう。
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