倉庫・工場の建築を検討されている方注目!建築物省エネ法とは?
2019.09.23
今後、倉庫・工場の建築を検討されていらっしゃる方は、2017年4月に国土交通省から従来の「省エネ法」に代わり「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(以下、建築物省エネ法)」が施行されたのをご存知でしょうか?
この法律は、建築物のエネルギー消費性能の向上を図るために、住宅以外の一定規模の建築物(倉庫・工場等)に対するエネルギー消費性能基準の適合義務などを含め、「省エネ」を進めるためのルールが多数あります。
ただし、建物の大きさや使用目的によって、内容が異なるため、ちょっと注意が必要…
今回は、そんな、一見するとわかりづらい「建築物省エネ法」について、お伝えしたいと思います!
【建築物省エネ法とは?性能がポイント】
「建築物省エネ法」については説明しましたので、中身について、見て行きましょう。
この中身は大きく分けて2つのパート「1.規制措置(義務)」と「2.誘導措置(任意)」で構成されています。
「規制措置」は、建築物省エネ法の前進となる「省エネ法」の一部が改訂されています。
変更のポイントは「2,000㎡以上の大規模な非住宅建築物」と「2,000㎡」以上の大規模な住宅建築物、300㎡以上2,000㎡未満の中規模建築物」です。
あなたが建てようとしている工場・倉庫の大きさと比べ、チェックをしてくださいね。
まず、前者にあたる建物を新築・増改築する場合は、以前は「届出義務」がありましたが、改正後は、その建物が「建築物省エネ法」に適合しているかの判定を受ける必要(適合義務)が課せられることになりました。
また、適合と判定された場合も、指定機関での確認検査・完了検査などを実施する必要があり、所定の手続きに沿って建物を完成させる必要があります。
つまり、省エネ法に適合する高い性能を持つ建物でないと建築が出来ないのです。
後者については、従来通り「届出義務」ですが、従来までは「著しく不十分な場合」のみの指示・命令・勧告だったのに対し、新しい建築物省エネ法では「基準に適合しない場合、所管行政庁は計画の変更・指示・命令等が可能」と以前より厳しい規制内容となっています。
【倉庫・工場に関する建築物省エネ法の補助金制度】
厳しい内容を記載してしまったので「建築物省エネ法っていいことない!」と思われた方も居るかもしれませんが、そんなことはありません。
先ほど説明した大きく分けた後半部分の「誘導措置」部分について説明していきます。
この対象は、既存・新築・改修なども含めたすべての建物です。
これらの建築物が、所管の行政庁から「省エネ性能を満たしている」と認定を受けると「省エネ基準適合認定マーク(通称eマーク)」を表示できます。
また、「容積率特例」と呼ばれる仕組みも構築されました。
これは、省エネ性能の向上を目的とするすべての建築物の新築・増築・改修・修繕模様替えなどが対象です。
これらの計画が一定の誘導基準に適合し、性能を満たしていると判断された場合、その計画の認定を建設地の所管行政庁より受けることが出来ます。
この性能向上計画認定を取得すると「容積率特例」が適用されます。
そうすると、「省エネ性能をよくする設備は、通常の建築物床面積超過部分は、延べ面積10%を上限として、床面積として不算入とする」とした補助金を受け取ることが出来ます!
「省エネ性能の向上」とは具体的にLED・太陽光発電・蓄電池などがあげられますが、こちらも一定の基準・性能を満たすことで補助金が下りる対象にもなりますよ。
【まとめ】
以上、簡単にではありましたが、倉庫・工場に関する建築物省エネ法の概要と補助金についてまとめました。
省エネが叫ばれている今、性能をよりエコに近づけるのは建物を建築する上で非常に重要です。
省エネを意識した性能を搭載し、補助金がもらえたら一石二鳥ではないでしょうか。
今後、倉庫・工場を建てられる際は、性能・補助金などにも着目しながら建築を進めてみてはいかがでしょうか?
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