工場や倉庫に求められる耐震基準とは?耐震診断と耐震性を向上・対策も解説
2024.07.11
日本国内では大きな地震が頻繁に発生しており、今年1月に発生した能登半島地震では被害をもたらしました。
多くの従業員が働く工場や倉庫は、大規模地震などの際でも施設内の方を守れるよう地震に強い工場や倉庫が求められます。
そこで今回は、工場や倉庫に求められる耐震基準に加えて、耐震診断や耐震性を向上するための対策について解説していきます。
工場や倉庫に求められる耐震基準とは
耐震基準とは、建築物や土木構造物を設計する際に、それらの構造物が最低限度の地震に耐えられる能力を持っていると保証する基準のことです。
建築許可を得て建物を建てるためには、その耐震基準をクリアしなければなりません。
耐震基準は建築基準法に基づきすべての建築物に適用されておりますが、1981年5月31日までは「旧耐震基準」が適用されていました。
旧耐震基準では、震度5強レベルの揺れでも建物が倒壊せず、仮に建物が破損したとしても補修によって生活が可能になることを基本的な尺度として定めていました。
しかし、新耐震基準では、中地震では軽微なひび割れ程度の損傷にとどめ、震度6程度の大規模な地震で建物の倒壊や損傷を受けないことという基準に変わっています。
したがって、1981年5月31日までに建設された工場や倉庫は、現在のルールを満たしていない可能性があるといえるのです。
耐震診断が求められる工場や倉庫
先述したように、現在では新耐震基準が適用されているため、旧耐震基準で建てられた工場や倉庫は「耐震診断」を求められます。
その耐震診断を求められるのは、旧耐震基準に基づいて建設された工場や倉庫で、3階以上かつ1,000㎡以上の建物です。
ただし、政令で定める数量以上の危険物を貯蔵や処理している場合は、階数や面積に関わらずすべての建物が対象になります。
また、階数1以上で5,000㎡以上の建物は「耐震診断義務付け対象建築物」となります。
その名前のとおり、耐震診断をするのが義務付けられているため、必ず実施しなければなりません。
なお専門業者に依頼すると、最初に予備調査として図面や各種書面の有無、ヒヤリング調査などをおこない、その結果を踏まえて現地で本調査がおこなわれます。
工場や倉庫の耐震性を向上させる方法
鉄筋コンクリート造の場合には、壁を増やして建物を補強する方法が考えられます。
ただ、壁を増やすという簡単で効果的な補強方法は、建物内の使い勝手を悪くしてしまう可能性があるのです。
建物内の使い勝手が悪くなってしまう場合は、既存の柱を補強すると建物全体の強度や粘度を向上できます。
そのほかにも、鉄骨造の場合には、建物の柱と梁に囲まれた面へ斜めに筋交いを入れて接合する工法が多く取り入れられています。
まとめ
日本の工場や倉庫は、1981年以前の旧耐震基準に基づいて建設されたものが多いため、現在の基準を満たしていない可能性があります。
これらの建物は、階数や面積に応じて耐震診断が義務付けられており、不適格である場合は改修が必要です。
建物の耐震性を向上させるために、壁を増やす、柱を補強する、筋交いを増やすなど構造によって適切な方法を選択しましょう。
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