倉庫内で安全に作業するために必要な照度基準はどのくらい?
2019.05.18
人が倉庫や工場内で作業をする際には、明るさが必要です。
そして、必要な明るさは作業の内容によって変わります。
倉庫内での作業に必要な明るさはどの程度なのでしょうか、また明るさの単位、照度とはどんな単位なのでしょうか。
【倉庫内作業での照度とは】
明るさの基準に「照度」があります。
単位面積当たりに入射する光の量で、単位はlx(ルクス)と言います。
このlxの数値が大きいほど、その場所が明るいということになります。
倉庫内で作業をする際は、一定の視認性を保ち、安全に作業するためにある程度の明るさが必要ですが、照度を用いて定められています。
昭和47年、当時の労働省が定めた労働安全衛生規則によると、「精密な作業は300lx以上、普通の作業は150lx以上、粗な作業は70lx以上に適合させること」とあります。
この数値を下回る場所での作業は、作業ミスの誘発や眼精疲労、視力低下を招く可能性があるとして、守らなければいけない数値です。
【JIS照度基準:倉庫内作業に必要な値は?】
先ほどご紹介した、労働安全衛生規則の値は最低照度です。
夜の街灯の下が50~100lx程度と言われますから、倉庫内で簡単な作業をする際、粗い作業の基準である70lxで本当に足りるかどうかは考える必要があります。
なお、現実的にどの程度の明るさが必要か調べるには、物事の規格を定めるJISによる「JIS照明基準」の推奨照度が参考になります。
倉庫内での作業を想定してJIS照明基準を見てみると、例えば工場で行う非常に精密な視作業が1,500lx、普通の視作業が500lx、倉庫内の事務が300lxと推奨されています。
他業種の作業や建物の推奨照度を見てみると、会社の会議室や学校の実習室、病院の診察室が500lx、会社の受付や学校の教室が300lx程度です。
そして、荷積みや荷降ろしには150lx、ごく粗い視作業や倉庫そのものの明るさは、100lxが基準です。
つまり、倉庫内で安全に行き来するために全体は100lx程度、荷物の上げ下げをするスペースは150lx程度、事務作業スペース周辺は300lx程度を維持するなど、照明の配置に気をつけると作業効率も上がるでしょう。
【倉庫内での照度の測り方は?】
それでは、照度はどのように測ればよいのでしょうか。
この測定方法も、JISが規格を定めています。
照度計を用い、実際に作業をする場所の上面から5cm以内を測ります。
デスク上などではなく、その空間の照度を測りたい場合は、床上80cmの定点から前後5cmを測ります。
この場合、一点だけではなく測定点をいくつか定めて出た結果の平均を、その場所の数値として出します。
実際に細かい算出にはJISに規定されていますから、測定時は規格を調べてみてくださいね。
【まとめ】
倉庫内の明るさをどの程度にするかは、JIS照明基準が参考になります。
法律とは異なり、罰則規定があるわけではありませんが、やはり安全に作業をする上で、一定の照度は必要ですね。
倉庫を維持・管理する際は、是非参考しして下さい。
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