コロナ禍における工場のコンテナ不足の原因とは?工場バンニングについても解説
現在、世界中の工場でコンテナ不足が続いています。
コンテナ不足が発生している主な背景には、収束の見えない新型コロナウイルスの感染拡大が考えられます。
また、コロナ禍において「工場バンニング」という作業を無人化・自動化する動きが出てきています。
今回は、工場の購入を検討している方に知っていただきたい、コロナ禍におけるコンテナ不足が発生している理由や、工場バンニングとはなにかについて解説します。
世界の工場でコンテナ不足はなぜ発生しているのか?
現在、世界各国の工場でコンテナ不足とコンテナ運賃の暴騰が問題となっています。
なぜコンテナ不足が続いているのか、さまざまな原因が複雑に関係しています。
まず、工場のコンテナのほとんどが中国で生産されている点が挙げられます。
米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの流行により、2018年から中国での新しいコンテナの生産量が低下し、需給バランスが崩れました。
コンテナの生産量が低下しているのにも関わらず、感染防止のホームステイなどによりアジアから欧米向けの輸出量が増えたことで、コンテナがより不足するという事態に陥りました。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により、コンテナを運ぶ物流機能が停滞し、世界各地にコンテナが行き渡らなくなったことも原因として考えられます。
作業員不足などによるコンテナ返却の遅延もあり、空コンテナの循環がうまくいっていないという状態が続いています。
つまり、コロナ禍によって物流が活発化したにも関わらず、コンテナ生産量の減少に加えて、回転率も下がっていることが慢性的なコンテナ不足を招いているのです。
また、コンテナの製造コストも上昇しているので、コンテナ使用料金も上昇しています。
コロナ禍における工場バンニングに関する動きとは?
工場バンニングとは、工場の敷地内で輸出貨物をコンテナに詰め込む作業をすることです。
反対に、荷物をコンテナから取り出す作業のことは、デバンニングと言います。
工場バンニングでは、バンニングが完了するとコンテナ番号やシール番号を通関業者に伝えます。
自社で対応することでバンニング料がかからないので、物流コストが抑えられるのがメリットです。
一方でデメリットは、バンニング技術が十分でないと、想定よりも荷物が詰め込めなかったり、貨物の破損が起きたりすることです。
工場バンニングをおこなうには、経験のある作業員がいることや、工場にバンニングできる設備や施設があることが前提となります。
しかし、コロナ禍において、無人化・自動化を進める動きは工場に関しても起きており、ロボットを用いた工場バンニングの無人化・自動化をおこなう工場も出てきています。
まとめ
今回は工場の購入を検討している方に知っていただきたい、コロナ禍におけるコンテナ不足の理由や、工場バンニングとはなにかについて解説しました。
新型コロナウイルス流行拡大によって加速したコンテナ不足は、2022年も解決する見込みがありません。
工場バンニングの無人化・自動化については広まっていくと考えられるため、今後の動向を気にしておくとよいでしょう。